枝豆と茶豆の違いとは?見た目・味・品種・栄養の徹底比較!
夏になるとビールのお供として人気の「枝豆(えだまめ)」。その中でも、最近注目を集めているのが「茶豆(ちゃまめ)」と呼ばれるタイプの枝豆です。スーパーなどでも「茶豆入り」「黒埼茶豆」などの表示を見かける機会が増え、気になっている方も多いのではないでしょうか。
「枝豆と茶豆って何が違うの?」「どっちが美味しいの?」と疑問を抱いている方のために、この記事では両者の違いを分かりやすく解説していきます。見た目・味わい・栽培方法・旬の時期・栄養価・品種の違いまで、枝豆と茶豆の世界を詳しく見ていきましょう。
1. そもそも枝豆とは?
「枝豆」は、未成熟の大豆を若いうちに収穫して食べる食材のことです。つまり、収穫せずに畑でさらに育てれば「大豆」になります。枝豆というのは料理名や食材名であり、植物としての分類では「大豆」と同じなのです。
一般的な枝豆は、莢(さや)の表面が薄い緑色で、中の豆も鮮やかな緑色をしています。品種によって味や風味に違いがあり、日本各地で特色のある枝豆が栽培されています。
2. 茶豆とは?「枝豆」の一種?
「茶豆」は、実は枝豆の一種です。茶豆という特別な作物があるわけではなく、「枝豆」の中の一部品種が「茶豆」と呼ばれているのです。
▼ 茶豆の特徴
- 莢(さや)や豆の表面がうっすらと茶色がかっている。
- 豆の産毛が茶色いため「茶豆」と呼ばれる。
- 香りが強く、甘味も濃厚。
- 食べた時に鼻に抜けるような香ばしい香りがある。
3. 見た目の違い
特徴 | 枝豆(一般) | 茶豆 |
---|---|---|
莢の色 | 明るい緑色 | 緑に茶色い産毛が混じる |
豆の色 | 鮮やかな緑 | やや茶色がかった緑 |
形 | 丸みのある豆 | 品種によりやや大きめ |
一般的な枝豆は、全体的にみずみずしく明るい緑色をしています。一方、茶豆は莢の表面や産毛に茶褐色が混じるため、ややくすんだ見た目をしています。
4. 味と香りの違い
最大の違いは、やはり「香りと甘味」にあります。
- 枝豆(一般):すっきりした青豆の香りと適度な塩味、あっさりとした風味。
- 茶豆:独特の香ばしさがあり、甘味が非常に強く、鼻に抜ける芳醇な香りが特徴。
茶豆は「香り枝豆」とも呼ばれることがあり、湯がいた瞬間から漂う香ばしい香りが人気の秘密です。普通の枝豆よりも味に深みがあり、後を引くおいしさがあるため、愛好家も多くいます。
5. 栽培されている地域・代表品種の違い
▼ 一般的な枝豆の産地
- 千葉県
- 群馬県
- 北海道
- 茨城県 など全国各地
▼ 茶豆の代表的な産地
- 新潟県(特に有名)
- 山形県(だだちゃ豆など)
- 宮城県(味風香など)
中でも有名なのが、新潟県の「黒埼茶豆(くろさきちゃまめ)」。新潟市の黒埼地区で育てられている枝豆で、香りとコクの強さは全国的にも知られています。
また、山形県鶴岡市の「だだちゃ豆」も茶豆系統の代表格で、こちらも甘味と旨味が非常に強く、全国的な人気があります。
6. 旬の時期の違い
枝豆の旬は品種や地域によって異なりますが、一般的に以下のような傾向があります。
- 枝豆(一般):6月~8月が中心
- 茶豆:7月下旬~9月が中心(遅め)
茶豆は他の枝豆よりやや遅めの時期に出荷されることが多いため、夏の終わりから初秋にかけてが一番おいしい季節です。
7. 栄養価の違い
枝豆全般に共通している栄養成分には以下のようなものがあります:
- たんぱく質(植物性)
- イソフラボン(女性ホルモン様作用)
- 葉酸(妊娠中の方に重要)
- 食物繊維
- ビタミンB群、C、K
- カリウム、マグネシウム、鉄分など
茶豆と一般の枝豆の間で顕著な栄養価の違いはありませんが、茶豆は旨味成分である「グルタミン酸」や「アスパラギン酸」が多く含まれている傾向があり、それがコクや香りの強さに繋がっていると考えられています。

8. 価格や入手のしやすさの違い
スーパーで手に入る枝豆は、価格も安定しており比較的手頃に購入できます。一方、茶豆は特定の産地・品種に限定されていることも多く、少し高価になる傾向があります。
また、生の状態で手に入る時期も限られているため、冷凍品や加工品として出回ることも多いのが茶豆の特徴です。
9. まとめ:どっちが美味しい?おすすめの選び方
項目 | 一般的な枝豆 | 茶豆 |
---|---|---|
味わい | あっさり・すっきり | 甘味・香りが強い |
色合い | 鮮やかな緑 | くすんだ緑、茶色みあり |
価格 | 手頃 | やや高め |
旬の時期 | 初夏 | 夏の終わり〜初秋 |
入手性 | 通年・全国流通 | 期間限定・地域限定が多い |
どちらが「美味しい」と感じるかは人それぞれですが、さっぱりとした味わいが好きな方には一般的な枝豆、甘味と香りにこだわりたい方には茶豆がおすすめです。
普段の晩酌には手軽な枝豆を、特別な日の一品には香り高い茶豆を——というように、使い分けるのも楽しいでしょう。

補足:茶豆入り冷凍枝豆もおすすめ
最近では「茶豆入り冷凍枝豆」なども販売されており、手軽に茶豆の味わいを楽しめるようになっています。冷凍とはいえ香りの良さは健在なので、試したことがない方はぜひ一度食べ比べてみてください。